リフォームコラム

外壁塗装にはどんな種類があるの?特徴や性能、おすすめ塗料について

外壁塗装を行う上でよく考えて決めたいのが塗料の種類についてです。

外壁塗装で使用する塗料には単に色の違いだけでなく、費用、耐久性、性質が違う様々な種類が存在します。

「費用が安いから」「こんな色にしたいから」といった安易な理由で決めたり任せたりしてしまうと、後から失敗して後悔する場合があります。

この記事では外壁塗装を行う前に知っておいてほしい外壁塗装の塗料の種類から、その特徴や性能、そしてオススメの塗料はどれなのかといった内容についてまとめてみました。

屋根や外壁塗装を検討している人は是非参考にしてみて下さい。

外壁塗装の塗料の種類と特徴

外壁塗装の種類と一言にいっても、以下に分類するようにかなり細かくわかれています。

これらの組み合わせで何十、何百といったパターンになるので、選び方で全く違う塗装になります。

 

顔料の種類

まずは顔料の種類です。こちらは単純に塗料の色となります。

どのような色を選ぶかで大きく印象が変わるので、外壁塗装を決める上での大切なポイントの一つです。

 

顔料はペンキなどの塗料だけでなく、印刷用インクやプラスチックの着色から化粧品や織物、食料品と幅広い用途に使用されています。

後述しますが艶についてもどの顔料を選ぶかによって強さが変わります。

 

また詳しくは説明しませんが、顔料にも有機顔料無機顔料という2種類のベースが存在します。

ただし外壁塗装を行うにあたってその点に細くこだわることは基本的に無いため、ここでは省略しておきます。

 

性質の種類

次は性質の種類について。

外壁塗装に限らず、塗料には主に以下の2つの性質があります。

 

水性塗料

水性塗料はその名の通り主成分が水で出来ている塗料のことです。

シンナーを利用していない為独特の臭い(ペンキの臭い)がなく、扱いやすいのが特徴です。

希釈(薄めて伸ばすこと)にも水を使う為、人体にも影響の少ない優しい塗料となっています。

一昔前は後述する油性より性能が劣っていると言われていましたが、現在は技術の進化により水性でも油性と同等の性能を持った塗料が出来るようになりました。

しかし絶対的な耐久性はどうしても油性に劣ってしまう為、最も耐久性が必要な屋根などには水性は使わないほうが良いと言われています。

 

油性塗料

対して油性塗料は主成分に有機溶剤(シンナー等)を使用した塗料のことです。

こちらは希釈にもシンナーを利用しているため臭いがきつく、危険な成分なので使用や保管には十分な注意が必要となっています。

ただし人体のことを考えると悪影響しかありませんが、塗料の性能としては強く強靭で耐久性の高い塗膜を作ることが出来ます。

また密着性が高くて剥がれにくく、金属などにも簡単に塗ることが出来るというメリットがあります。

 

これらのことから人があまり触れないけど高い耐久性が必要な屋根などには油性を、あまり天候によるダメージもなく人の身近にある外壁には水性塗料を使うのが良いでしょう。

 

樹脂の種類

続いて素材となる樹脂の種類について。一般的にグレードと呼ばれるものです。

樹脂は現在4種類ほど使われていて、主に外壁塗装の耐久性に関わってくる部分となっています。

外壁塗装の種類としては一番重要なので、どのようなものがあるのか把握しておきましょう。

 

アクリル系塗料

アクリル系の塗料はとても軽く、色をくっきり鮮やかに見せられる特徴があります。

また安いため、気分で外壁の色を変えたいという人や、DIYでリーズナブルかつ自由に塗りたいという人にもオススメとなっています。

ただしその分耐久性はあまりなく、紫外線に弱いので耐用年数は低くなってしまいます。

 

ウレタン系塗料

ウレタン系塗料は安価ではあるものの、それなりに防水性と耐久性のある塗料となっています。

比較的安価でバランスが取れているため、幅広い用途に使われることが多く、戸建住宅を中心に様々な建物で使用されているのがこのウレタン系塗料です。

密着性にもすぐれているので、塗装の剥がれが気になる部分に使うことも出来ます。

 

シリコン系塗料

シリコン系塗料は現在最も標準的な人気の塗料です。

ウレタンやアクリルに比べて耐久性や耐候性、仕上がりの良さに優れた塗料です。

弾力性もあるため、例えば塗膜の下でひび割れ等ができても、小さいものであれば防水性を損ないません。

 

フッ素系塗料

フッ素系塗料は耐久性、耐候性、撥水性にすぐれていますが、一方で汚れやすいというデメリットもある塗料です。

美しい光沢があるのもフッ素系塗料の特徴ですが、価格が高いために一般的な住宅には使いにくいというデメリットもあります。

 

なお、これらはアクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順で、耐用年数と費用が比例して上がっていきます。

つまりアクリルは価格が安く利用しやすい半面耐久性が低く、逆にフッ素は耐久性が高い代わりに費用も高額になるということです。

 

液型の種類

続いて液型の種類について説明します。

液型には1液型と2液型が存在し、これらは作業のしやすさと仕上がりの良さに違いがあります。

 

1液型塗料

1液型塗料とは、缶が1つで封を開けてそのまま塗れるタイプの一般的な塗料です。

多くのホームセンターなどで売られているのはこの1液型で、扱いが簡単なために人気の塗料となっています。DIYなどをする場合には1液型がオススメです。

しかし扱い安さの反面、塗料としての性能は後述する2液型よりも劣ってしまいます。

ちなみに性質の種類で説明した水性塗料の多くは有機溶剤を配合していない都合上、この1液型が多いです。

 

2液型塗料

2液型塗料とは、缶が”主剤”と”硬化剤”の2つに分かれているタイプの塗料で、塗る時にその2つを混ぜて使用することになります。

封を開けてそのまま塗れる1液型と違い手間のかかる2液型ですが、その分耐久性や仕上がりの良さが1液型よりも優れているという特徴があります。

しかし使用するのが面倒なことから使うのを嫌がる職人や業者も多く、そういった人に2液型での作業を依頼してしまうと逆に1液型よりも劣化した品質になる場合があるので注意が必要です。

逆を言えば2液型を適切に正しく扱える職人であるなら、1液型よりも美しく耐久性の高い外壁塗装に仕上がるということになります。

 

なお、2液型で依頼したいけど酷い業者に当たるのが心配という人は後述する優良外壁塗装業者の紹介サービスなどを利用すると良いでしょう。

 

艶の種類

外壁塗装の塗料には艶ありと艶なしがあります。

どちらを選ぶかで印象が大きく変わるので、どのような雰囲気の塗装にしたいのか考えた上で決めるようにしましょう。

ただ、この後説明しますが基本的には艶ありの塗装のほうが性能的には優れています。

 

艶あり塗料

艶ありの塗料は光沢(グロス)・てかりのある塗料のことです。

実は艶ありと艶なしの明確な定義があるわけではないのですが、一般的に光が当たることで反射するものが艶ありと呼ばれています。

ちなみに反射する光量によって半ツヤ三分ツヤと呼ばれるものもあります。

つるつる・ぴかぴかした綺麗な塗装にしたいなら艶ありを使用すると良いでしょう。

 

艶なし(艶消し)塗料

対して艶なし(艶消し)はその名の通りツヤをなくした塗料のことを言います。マットフラットとも呼ばれます。

外壁塗装で使用する塗料の多くは初めから艶があるものが多い為、つや消しにする場合は添加剤を混ぜて艶を除去します。

しかしこの添加剤が塗料にとってはあまり良いものではなく、多少なりとも性能を劣化させることに繋がっています。

ただし物によっては添加剤を使用せず初めから艶なしの塗料もあるので、もし艶なしにしたい場合はそういったものを選ぶと良いでしょう。

 

付加機能の種類

最後は付加機能の種類についてです。

これは見た目だけでなく塗料の性能を大きく左右するポイントの一つでもあるので、それぞれの特徴を理解しておくのがオススメです。

 

セラミック(停滞電性)配合塗料

セラミック塗料・セラミック配合塗料とは、砂や細かい砂利などの粒子状のつぶつぶを配合した塗料のことです。

セラミック塗料は見た目が特徴的なだけでなく、他の塗料よりも耐久性に優れています。なぜなら配合しているつぶつぶが石だからです。

ただ耐久性は欲しいがあまりザラザラした見た目の塗料は嫌だという人もいるかもしれません。

そういった場合には塗膜が砂上のものではなく、塗膜表面に薄く微細なパウダー状セラミック物質を並べたタイプを使用すると良いでしょう。

 

遮熱塗料

遮熱塗料は近年注目を浴びている塗料の一つです。

その名の通り遮熱効果を発揮する塗膜のことで、太陽光エネルギーを跳ね除ける効果がある為に熱を塗膜に浸透させない効果を発揮します。

よって屋根などに塗れば家の中気温も下げることが出来るので、結果的にエアコンの設定温度を下げすぎず、省エネやCO2削減にも効果がある塗料と言えるでしょう。

熱を跳ね除けるため屋根自体の寿命もあがり改修費用を押させることが出来るので、電気代と相まって節約効果も期待できます。

また施工時に省エネ住宅にリフォーム出来るという事で、地域によっては補助金を給付してくれる制度もあります。

 

ラジカル制御塗料

最後はラジカル制御塗料です。

ラジカル制御塗料も遮熱塗料と同様に非常に人気の塗料で、誕生してから数年と最近登場した種類になります。

よってまだ長期間使用された建物はないのですが、おそらく今後主流になるであろう塗料と言われています。

塗料の白色顔料が太陽光を吸収することによってラジカルという物質が発生するのですが、これが塗膜の劣化原因に繋がります。

ラジカル制御塗料はそのラジカルの発生を抑制する機能がついた塗料のこと。つまり簡単に言えば、他の塗料よりも長持ちするということです。

 

外壁塗装の種類と性能のまとめ【図解】

外壁塗装には紹介してきたように実に様々な種類や特徴があります。

ただ言葉で説明されてもわかりにくいと思うので、まとめてみた図が以下になります。

基本的には合成樹脂(グレード)から選び、そこから油性or水性と1液型or2液型を選ぶ形となります。

そのベースが決まった上で顔料や艶の有り無し、付加機能を加える形です。これらをすべて組み合わせたものが外壁塗装専用塗料となります。

図があるとだいぶわかりやすいですよね。

 

なお、各グレードの費用の目安は以下の記事でまとめていますので合わせてご覧ください。

関連記事
外壁塗装の費用相場はどれくらい?金額の目安や内訳について

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外壁塗装の種類のオススメは?

ではここで私のオススメの外壁塗装の種類を答えたいと思います。

あくまで個人的なおすすめであって絶対にこれじゃなきゃダメだという話ではありません。

外壁塗装を利用する人や塗装箇所・塗装内容によってまた変わってくるので、参考程度に考えてみて下さい。

なお、ここでは顔料や添加物、付加機能については省き、合成樹脂(グレード)の種類でのみまとめたいと思います。

屋根に塗る場合外壁に塗る場合の2パターンに分けて説明しますね。

 

屋根を塗装する場合のオススメ塗料

まず屋根に塗る場合。

この場合はシリコンもしくはフッ素の油性タイプで、2液型がオススメです。

屋根は外壁よりも雨や紫外線などによるダメージを直に受けることと、上に登らなければならないので作業が大変です。

よって出来るだけ耐久性が高く、長期的に見て塗り変える回数が少なくなる上記の組み合わせにするのが良いでしょう。

多少費用はかかってしまいますが、安く耐久性のない組み合わせにして後から後悔するよりは、かけるところにはしっかり費用をかけるのがオススメです。

また屋根に関してはプロに任せたほうが良いので、DIYも避けたほうが無難です。

 

外壁を塗装する場合のオススメ塗料

続いて外壁を塗装する場合。

こちらに関しては自身の都合に合わせて決めて良いと思います。

外壁に何を求めるかにもよりますが、例えば気分転換も兼ねた模様替えとしてやるのであれば定期的に行うことになると思うので、安く色鮮やかなアクリル系塗料の水性タイプを使うのが良いですし、屋根同様しっかりしたものにしたいと言うのであればシリコンやフッ素の油性タイプを選べば良いでしょう。

外壁の場合は屋根に比べれば天候によるダメージは少なく、また塗り直しなども行いやすいので、比較的安価な組み合わせでも大丈夫だと思います。

と言っても決めにくいという人もいると思いますので、そういった方は費用と耐久性のバランスが良いウレタン系塗料にするのがオススメです。水性か油性かは予算の都合で決めましょう。

 

なお、どちらも1液型よりは2液型でしっかり施工出来る業者に依頼するのがベストです。

 

外壁塗装は出来るだけプロに頼もう

ということで今回は外壁塗装の種類や特徴について図付きで詳しくまとめてみました。

外壁塗装の種類にはどのようなものがあるのか、どれがオススメなのか参考になれば幸いです。

 

なお、外壁塗装はDIYで行いたいという人もいると思いますが、個人的にはプロに頼んだほうが良いと思います。

なぜなら外壁塗装は単に色や見た目を変えるだけでなく、天候から家を守ったり、害虫などの侵入を防いだり室温を快適に保つ効果などがあるからです。

もしあまり知識・技術がない状態でただ”自分でやるのが好きだから”という理由で行おうとしているのであれば、確実に失敗しますので絶対に辞めておきましょう。

 

まわりに外壁塗装の業者がいない、しっかりした外壁塗装業者がどこなのかわからないという人は、以下の記事で紹介しているヌリカエなどを利用するのがオススメです。

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またお伝えしたように塗料には1液型と2液型があり、性能的には2液型のほうが良いのですが業者次第で失敗する可能性があります。

そういったトラブルを防ぐためにも、特に外壁塗装を行うのが初めてという初心者の人はこういったサービスを上手に利用すると良いでしょう。

  • この記事を書いた人

リノ

現在住んでいる古い一軒家をフルリフォームで新築同様に生まれ変わらせるのが夢なアラサーです。好きな動物はうさぎ。ブログを見に来てくれた皆さんと一緒に、リフォームについて情報共有できれば嬉しいです。

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